これから猟を始めたい方へ
一個人の経験ですが
どのようにして猟師生活を始めたか?
参考になればと思い、
書き出してみます。
小さい頃。
お盆や正月はいつも
天竜の山の親戚宅に
遊びに行っていた。
自宅は海の近くだったが
母方の実家が
天竜川の中流域の山村にあった。
その家の叔父が猟をしていた。
正月は猟銃を担いだ叔父と
柴犬の後に続いて
山の中を歩いていた。
5月の連休や
お盆のお休みは
山の中で山菜取りや川遊び。
大人になると
山の暮らしとは
離れた生活が続いた。
仕事や家事に
追われる日々。
たまに山歩き。
それ以上の展開は
なかった。
仕事の無理がたたって
1週間の入院をする。
転勤して
仕事の環境が
変わったりする。
自分の時間が
あまりないことに
気づく。
子供たちはみな家を離れ
仕事場と家を往復する
生活を続けていた。
晩酌だけが楽しみな
おじさんで
終わっていいのか??
なぜか、
猟師になりたい
と思う。
でも
サラリーマン生活で
過ごしてきた自分に
猟師は出来るのか?
それでも、
様々な狩猟入門書や
Youtube動画等
片っ端から目を通していく日々が
1年くらい続く。
網猟、いいんじゃない?
様々な情報や動画を見ていくと、
圧倒的に多い→銃猟の情報。
そして、罠猟の情報。
銃猟
警察も絡む銃砲所持許可取得
巻き狩りなど新しい人的グループ探し
いろいろ面倒そう。
維持費の高さ等ハードルが高い。
罠猟
正直自分にはまったく未知の世界。
動画で見てみると
面白いとは思う。
サラリーマンの自分に、
獣道を見分ける
わな猟なんて出来るのか?
用具は見ていると
自分でも
工作できそうな感じ。
しかし、
罠にかかったイノシシを
しとめることができるのか?
解体もしなくちゃならないし???
そんななか、
九州のとある猟師さん
(鬼嫁さん)の動画から、
網猟というものの存在を知る。
「一網打尽」の言葉通り
夜の田んぼに集まった鴨が
捕獲される様子を見た。
「これだ!」と思った。
網猟師1名誕生
やろう!
と決めたら
行動は早い。
狩猟免許の試験や
猟友会の開催する事前講習の
日程を調べて、
書類準備や農林事務所に申込提出。
仕事を抜け出して
出かけていくのが
楽しい。
届出に行った農林事務所では
「網猟? だ け なんですか?」
と確認され、
一瞬ひるむが、
そこは笑顔で
「よろしくお願いします!」
あとでわかったのだが
この年静岡県の
網猟受験者は11名だった。
猟友会事前講習は、
銃猟、罠猟は参加者多数のため
県西部、中部、東部の
開催。
一方、網猟は少数のため
全員静岡市会場に集合開催。
講習会に出かけた。
網猟受験者11名中、
大半は
銃猟罠猟免許所持者の
追加受験。
自分のような網猟新規は
2,3名。
それでも
試験は無事通過。
9月には免状が届く。
しばらくして、
狩猟者登録申請の案内が
届く。
狩猟免許を取っただけでは
狩猟は出来ない。
毎年、
狩猟税を納付して
狩猟者登録を済ませて
初めて猟場に立つことが許される。
当日
登録申請の会場
銃猟の皆さんが100%な感じ。
網猟新規1名は
「名簿のどこに載ってたっけ?」
と受付の方が探してしまう感じ。
兎にも角にも
猟友会にも新規入会
猟友会の帽子・ベストも手に入れて
晴れて猟師生活のスタート。
自分の子供が
小学校入学した時よりも
うれしかったかも。
トレイルカメラ
網猟で狩猟者登録したものの、
ネットを探しても
これといった用具がない。
「やっぱり、
網猟ってマイナー」
……と
めげているわけにはいかない。
狩猟税や狩猟保険代も払ったし、
にわか猟師騒ぎに
冷ややかなかみさんから
「それみたことか!」
言われないよう
頑張る。
(仕事よりも気合を入れる)
ネット情報を元に、
とりあえず片無双網を
用意することにする。
竹竿やワイヤーはすぐに調達。
竿を動かす金具は
知り合いの鍛冶屋さんに
頼んで作ってもらうことに。
本体の網は、
名古屋の銃砲店HPのみ販売を確認。
3万くらいの価格で
具体的な内容もHP情報だけでは
わかりづらい。
なので、
自分で編むことにする。
漁網の編み方を参考に
50mm角の網目に決めて
編むこと1か月。
どうやら解禁日の11月15日には
間に合うことができた。
当時はまだ週5~6日出勤の
会社勤務。
週1日か2日しか猟場に向かえない
(と思っていた)
そこで、
現場に向かえない日の
あなうめに
トレイルカメラを購入する。
網を入れる予定の場所は
1級河川の河川敷。
念のため県の河川事務所に
網設置の可否を確認。
「問題なし」
との回答。
トレイルカメラの導入は画期的。
昼夜を問わず、
現場の様子が記録される。
鴨狙いのつもりで
仕掛けておいたカメラには、
マガモ、カルガモ、コガモ、
ヒドリガモのほか、
タヌキ、キツネ、ヌートリア、
カラス、キジ、ウサギ、
そして人間が写っていた。
やってきた時間も記録されている。
これをもとに、
撒き餌を入れながら、
網を入れるタイミングを
図っていくことになる。
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寒い獲れない、けど楽しい
11月の間は仕事が忙しく、
撒き餌とカメラの確認だけで
終わってしまう。
12月は仕事は忙しいが、
猟場に通う要領が
だんだんわかってきた。
週3,4日は
猟場に通うようになっていた。
20時退勤後
夜の河川敷に撒き餌に行くことも
普通になっていた。
あみ猟は
夜も活動がOK!
(銃猟は日の出から日没迄)
そのかわり
気温はマイナス
極寒の中、午前0時迄
粘ってみたり。
しかし獲物ゼロ
獲物がやってくるのが、
日によってまちまち
絞り込みが出来ない。
九州の田んぼのカモ猟のように
夕方定時にカモ来訪
というわけにはいかなかった。
仕方ないので
夜討ち朝駆け、
時間のある時には河川敷に張り込む。
鴨の来訪を待つが
寒いばかり
タイミングが合わない日々が続く。
ある日の夕方。
河川敷から帰宅して
自宅の駐車場から
見上げると、
5,6羽のカモが
近くの田んぼに飛んでいく
???
すぐに後を追う。
田んぼ近くまで行くと
カモが群がっている。
田んぼの落ち穂を捕食?!
ざっくり100羽!
この時から
田んぼのカモを
どうやって捕らえるか
考え始める。
地主の都合・猟師の都合
近所の田んぼに
カモが来訪するパターン
すぐにわかってきた。
九州のカモ網猟と同様
近隣の河川湖沼から
夕方になると
カモが集まってくる。
時間も毎日ほぼ同じ。
3羽、5羽
次々とカモが飛来
田んぼが埋め尽くされていく。
ただ、集まる場所が
変動する。
九州のカモ網猟では、
田んぼの中に5~10m四方の
水たまりの餌場を作り
そこに集めて捕獲する。
でも事前に了解もなく
他人の田んぼに
水を入れたりするわけには
いかない。
このシーズンは
近所のカモに関しては
動向確認だけで終了。
オフシーズンになり、
田んぼの所有者・耕作者の方々と
たびたびお話。
地元では
基本冬場は
田んぼに水を入れない。
稲作を害する
ジャンボタニシの繁殖を
抑えるための対策とのこと。
猟師の都合で、
田んぼに水を入れてもらう
わけにはいかない。
悶々としたまま、
カモ網猟は来季へと向かうのであった。
わな製造開始
季節は変わり
夏間近。
来季からは
銃猟始めようか?
空気銃だけの2種から取って
気楽に始めてみようか?
とか、考えていたが、
罠関連の動画
(「よっしーさん」と「つうさん」)
を見ているうちに、
「これなら自分で作れるんじゃない?」
とスイッチオン!
(スイッチ入るとそのあとが早い)
1週間後
「鎌田スプリング」さんから、
バネやら部品が到着。
さらに必要な塩ビ管や工具等…。
父方の親父たちは
代々道具オタク。
物置には便利そうな道具が
いろいろ。
7月には
自作罠(踏み込み式)
第1号が完成。
罠猟試験と
事前講習会の
申込も速やかに完了。
前年に網猟合格だったので、
試験は法令免除で
ちょっと優越感。
8月にはさらに、
罠にかかった
イノシシの動きを止める
鼻くくり器も製作。
道具オタク、
獲る気はまんまん。
この時点では
止め刺し方法
こん棒失神→ナイフで刺す、
しか考えておらず。
9月
免状も届き、
狩猟者登録。
11月
参加希望出していた
県の罠猟講習会
(富士市と安倍川)があったので、
両日参加。
当日は、
同年に免状を取り、
さっそく1頭目を捕獲した方も有。
応援の先輩猟師が来れない中
一人でイノシシを仕留めた話
自分は大丈夫かちょっと不安。
シーズンイン
11/15以降しばらく
カモ網の猟場通いで
過ぎていく。
わな免許はとったが
イノシシやシカは
どこから手を付けてよいやら
見当つかず。
山の地主や林業の方、
銃猟や罠猟の他の猟師の方等の
動向もわからず。
カモ猟場のエサ入れ後
山に出かけて
現場?と考えられる場所を
走りまわる状態が続く。
イノシシは意外に近くにいた
気が付けば年越し。
元旦には能登半島沖地震。
その翌朝
午前4時
霧雨の河川敷の
カモ網猟場に潜んでいた。
午前10時くらいまで粘り
「もうかえろうかなぁ」
と思った瞬間、
コガモの群れが網の前に入ってくる。
「これでもかぁああ!」
と、ワイヤーを引いたが、
コガモはすべて逃走。
1羽も入らず。
正月の収穫なし。
しばらく出猟がなかった。
1月中頃から
イノシシやシカを寄せる
撒き餌の動画が
気になり始める。
11月の罠猟講習でも
箱罠の寄せ餌の話があったっけ。
慣らして捕らえる!
カモと同じだ?!
さっそく、近所の精米所に参上。
買ってきたばかりの
20Lコンテナ2つ用意。
米ぬかをいただいて持ち帰り。
2種類の自家製ブレンド餌を製造。
次の休日、
トレイルカメラと自家製餌を
積み込んで出かける。
カモ猟場下見の際、
イノシシの仕業と思われる
穴ぼこがいっぱい開いていた
河川敷があった。
そこに出かけて撒き餌を入れる。
そして、
トレイルカメラを設置。
1週間後。
現場に行くと、
エサはきれいになくっている!
カメラの場所に移動。
SDカードをスマホにつないで
画像を回収。
お?
おお!
イノシシが「写ってる~!」
この興奮が起爆剤!
ここから猟期終了まで、
ひたすらこの場所に通い始めることとなる。
その時のトレイルカメラでとらえた映像。
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初のイノシシなるか?
映像の力は絶大。
頭の中はイノシシ一色となる。
今度はイノシシのエサ入れと
カメラ確認で
猟場通い。
用具もいろいろ調べて、
鎌田スプリングさんの新商品
鼻くくり罠を購入。
道具が増えると
満足するタイプ?
鼻くくり罠なら
止め刺しも楽に違いないとか、
勝手に想像。
しかし、
地面の撒き餌は完食するも、
鼻くくり罠のエサは警戒して
なかなか食べない。
そうこうしているうちに
猟期終了が近づいてきた。
見切り発車だが、
鼻くくりワイヤーと足くくり罠を
Wで仕掛けることにする。
猟期最終日前々日
3月13日雨天の中、
罠の設置。
翌日、
回収見回り。
イノシシの足跡は残っている。
しかし、わな発動せず。
カメラの画像確認。
撒き餌を食べ始めたイノシシ
しっかり罠の場所も通過?
罠の場所に行き、
上から罠を棒で押さえてみる。
「動かない?」
掘り返してみる。
インナーの踏み込み筒と
外枠の間に、
粘土質の泥がみっちり詰まっている。
最終日
罠不発でシーズン終了。
わな改良開始
新しいわなの製造開始。
塩ビ管の踏み込み式わなは
泥つまりに弱いと考え、
跳ね上げ式を製造。
注)踏み込み式でも、
隙間を作る構造にすれば
大丈夫!と、後になって
勉強しました。
部品点数は増えるが、
作動性は向上
踏板面積も増加
捕獲率が上がると期待。
画像は小判型。
念のため、丸形も作っておく。
止め刺し器
漠然としていたイノシシ捕獲
現実味を帯びてきた?
(気づくの遅い(笑)
止め刺しについても
まじに考える必要あり。
調べ始めることしばらく。
電気止め刺し→関心MAX
目に見えない電気であるが、
西日本では有害駆除を含め
使用例が多い様子。
すでに商品化している
販売各社のHPや
使用している自治体のレポート等
つぶさに観察。
基本構造や注意点等調べつつ、
自家製造の道を考えていく。
同じ頃から、
実際に捕獲した際の、
解体方法などについても、
改めて調べ始める。
地元の伝説的猟師
片桐さんの解体動画や、
各地で取り組まれる猟師さんたちの動画。
また、自治体で作られた解体場から、
果ては、フツーの食肉加工場の手順。
イノシシの湯むきなども
初めて知る。
せっかくいただく命だから、
美味しく食べたい。
頭の中には、
狩猟から始まる、
広大な世界が、
広がりまくっていた。